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「ふふふ…、いらっしゃい、アイゼンバルト君。」
閉めきった暗い屋の中央に、露出度の高い民族衣装のような服を着た一人の女性が俺たちを出迎えていた。
「いつ見てもそのお若く美しい姿は健全なようでなによりです、偉大なる魔女リンシア様。」
俺は女性の前に方膝をつくと頭を下げて極めて位の高い者に対しての礼をする。
「あら、誉めてもなにも出ないわよ。それにしてもなぁに?あんなに無愛想だったあなたがほんとのこととは言え、そんなこと言うなんて…熱でもあるの?それとも中にある別の魂さんの入れ知恵かしら?」
魔女リンシアは俺たちに背筋の凍るような冷淡な笑みを向けてくる。
いつかはバレるとは思っていたが、もう魔王の存在が知られてしまったみたいだ。
その事実が彼女の強さを直接暗喩してくるものだ。
「もうバレてしまったか、お初にお目にかかる。私は人界侵攻軍統括官ファイスじゃ。以後見知っておくがいい!」
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