プロローグ

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ある程度は予測はしていが、ここまで早く打ち解けれるとは思わなかった。 性格の根本がそっくりなんだろうな。 『灰色の災厄』と諸国から超がつくほど危険視されたー、わがままで高飛車で自己中心的な魔女がこの目の前にいる女性というわけだ。 「二人とも、やめないか。俺達は別に話し合いに来たわけじゃないんだから。」 なんで俺の周りにはこんな女の人しかいないんだろうか。 などと内心呆れながら俺はこの場所ー、〈魔女の庵〉にわざわざ来た目的をはたすことにする。 「この国で何が起きてる?」 それは、俺達がこの王国の王都に着いた当日に異変を感じた。 簡潔に言えば王都が全体的に“魔”の力が濃厚になっているのだ。 「まるで魔王の城ような重苦しい“魔”の密度だ。他の賞金稼ぎたちは気づかないのか?」 「残念だけど、今の王都には勇者が一人もいないわ。魔女も地方に出払って見習いばかりでまともなのは私一人だと言ってもいいわ。」
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