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その少女は歩いていた。
白い、砂漠特有のゆったりとした服を着て。
腰程までの長い髪は出していたが、それ以外は眼ぐらいしか出ていません。
沢山の荷物を詰めたリュックがやたらと大きく見えます。
それ程、少女は一見華奢でした。
蒼穹の元、紅い砂漠を歩いています。
…どれほど経ったのだろう…。
逃げ水の先に、虚無ではない街が見えてきました。
少女はその街に迷いなく入りました。
干し煉瓦造りの家、舗装されていない砂の道路、砂を含んだ乾いた風がそれがよく砂漠の街という雰囲気を放っていました。
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