587人が本棚に入れています
本棚に追加
「ここは、私の居場所だから、失いたくなくて……ここを捨てて、新しい居場所を作るなんてしたくなくて……ここにいる時間がとても……心地よくて……死んでも僕はここにいたという証を残したくて……正しい未来に行ったとしても、僕は笑える自信なんてないんです」
ユトのその言葉を聞くとヨリは、ユトをギュッと抱きしめた。
「そ、そうよね。うん。ユトちゃんごめんなさい。独りよがりだったわ……私だって、ユトちゃんを失いたくないもの……でもユトちゃんには、笑顔でいてほしいの。私は、ユトちゃんの味方よ。だから思うようにやってみましょう。そしたらまた違う道も見えるかもしれないわ。」
ヨリさんに抱きしめられながら、コクコクと頷いた。
それからよりさんは水に濡らした手ぬぐいを持ってきてくれて、目を冷やしながら話し合った。
最初のコメントを投稿しよう!