私の誠

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改めて、扉の前にくると緊張する。 入るのをためらっていると、なかから落ち着いた声でなかにはいるように言われ中に入る。 もっとひどい有り様なのかと思ったら、声から考えるととても……普通……なんだが… いや、前言撤回。 違う意味でひどい有り様だ。 「あの、里桜様?なにを?」 里桜様は、これでもかというほどの本に囲まれ文机で本を読んでいた。 少し違和感があるのは、その本の中に和綴じでない本があるからだ。 それを里桜様は、熱心にもくもくと読みふけっている。時々なにかを考えるように上を向き、また本を読む。 もう一度、同じことばをかける
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