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そしたら、ようやく僕の方を見てくれて……いや、見てるなんて生易しいものじゃない。ガン見だ。顔を。
おかしなところがあるのかと顔をペタペタ触って確かめる。が、別にないような気がするが……
んー。と僕が唸っていると
「何も可笑しくなんて無いのですよ。本は、適当にずらしていいのです。座ってなのです」
柔らかく笑う。その瞳には、うっすらと隈ができている。もしかして、寝るまも惜しんで大量の本を読んでいたのでしょうか。この本は、いったい……
「ただ、もっと遅くにくると思ってたから、早かったなぁと思ったなのです。ユトが言いたいことはわかりますのです。でも、一応聞くなのです。どうしてこんなところにまた来たなのですか?」
僕の言いたいことがわかってる?それは、私が死ぬのをあの少年から聞いたと言うこと?
「あ、僕は、僕の大切なものを守りたいです。そして、里桜さまにそれを協力していただきたいのです。」
「大切なものって?」
「仲間です。そして、新選組のみんな」
「そう。仲間って、私も入っているのかしら?そして、ユト自身のことも入っているのなのですか?ユトは、ついつい自分をないがしろにしがちでしたのです」
大切な人を本当に心配している。そんなかおでした。
なにが里桜様をそんなに変えたのかは、わかりませんが、いまはそれより言わねばならないことがあるのです。
「里桜さま、あの!!」
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