お化けと君の境界線!

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「うぅ、教室が遠い……」 僕らが勉強しているアニメデザイン学科はこの建物の一番奥、人数も少ないので前からそこになっている。 コツ、コツと足音が専門学校にしては珍しい(のかな?)リノリウムに響いて恐怖心を煽らせる。 その恐怖心から歩く速度も遅くなってしまう。 「やっとついたぁ……」 いつもより長く感じたそれは脱力するには十分だ。そして教室のドアを開ける。 案外鞄は入口の近くにあり、すんなり取る事が出来た。 「ふぇぇぇぇ……うっ!」 僕は見事なまでのガッツポーズを披露した。 すると自分が成し遂げた偉業に凄まじい達成感が重なり、急なトイレタイムがやってきた。 「これはヤバイ……」 近くにトイレがあるのでそこへと急行、若干アウトなのはこの際気にしない事に。 入った所でピークに、急いで便器の前に立ち、用を足す。 「あぁ良かった。わざわざ夜に来てまでズボンに地図は作りたくないね。」 本当に1人で夜に来たんだという気持ちが込み上げてつい巻き返してしまう。まだ帰ってないけど。 「本当に来てるんだなぁ僕、昔からテレビでやってても恐かったし、無理やり見せられて泣いちゃったっけ?」 そうそう、夜にある建物にあったトイレに行ってお化けが出て来て……そこで僕泣いたんだっけ。 怖いものって案外忘れられないや。
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