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─ジリリリリッ!───────
「……ん…」
朝を知らせる目覚ましが鳴り、僕はそれを止める。
携帯を見ると今日が休みだという事に目覚まし時計に若干の悪意を感じた。
今日は休日にふさわしいと言える清々しい太陽の光がカーテンの隙間から入り、そこに立ち込めた味噌汁の香が何とも
「ほれ、朝食ができたぞ」
「だぁぁぁぁっ!ってか夢じゃ無かったの!?」
無意識に後退りして壁にぶつかる。それを面白そうにその子は見ている。
「興味が湧いた。と言ったじゃろう?」
そう言いながら慣れた手つきで朝食を机の上に並べ、当然のように側に座った。
「んじゃあ…ここに住むの?」
「まぁそういう事かのう」
興味が湧いたのじゃともう一度言って顔を赤らめてその子味噌汁を啜った。
「ほれ、朝食が冷めてしまう早く食ってしまえ」
「あ、はい」
言われるがままに席に着いて同じように味噌汁を啜り始める。
「お、美味しい…」
「それは良かった」
どうやら僕は気に入られたようで、ここへ住む事になった訳で。
いつまでも幽霊嫌いなのに幽霊がここにいて。
何ともむず痒い運命に僕は誰かが忘れた僕の鞄に少しの感謝と憎悪を感じた。
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