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波乱な面接が終わってドアを閉める。鼓動の旋律はどんどん刻みこまれていき、風邪をひいたわけでもないのに熱が出たように身体が熱い。胸の辺りのシャツを握りしめると汗で湿っているのがよくわかった。
(なんで僕、ドキドキしてるんだろう…)
今までの人生では経験もしたことないような興奮。社員さん…いや、ビバリさんのことを考えると胸が締め付けられるように痛い。これは、恋…なんだろうか?男の僕が、男性のビバリさんに好意を抱いてしまった。
(ビバリさん、ビバリさん…)
イケナイ恋だってわかっていても。
あの目で、僕を見てほしい。
あの手で、僕を抱きしめてほしい。
あの唇で、僕にキスしてほしい。
ぐるぐるぐるぐる頭の中で回るのはビバリさんだけ。このまま帰れない。いや、帰りたくないだけかもしれない。
「っ社員さん!」
僕は一度閉めたドアに再び手を掛けた。
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