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「朝、か……」
起き抜けに閉め切った窓を全開にして、朝の爽やかな空気を肺に目一杯吸い込む。
眩い日差しに目を細め、俺の1日が幕を開けた。
気分は上々、悪くない目覚めだ。
「あ、お兄ちゃん起きたんだ?」
「飛鳥、おはよう」
妹の飛鳥がわざわざ起こしに来てくれたようだ。
今日も1日頑張ろうと言う気になれる笑顔を向けてくれる。
その笑顔に癒されつつ、俺は愛用のライダージャケットを羽織り、朝食が用意されているであろうリビングに向かい歩き出す。
……俺達に血の繋がりは無い。
飛鳥が腐れ外道な親に虐待を受けていた。
その外道共は彼女の目の前で妖怪の襲撃に遭い、命を落とした。
その後、妙な施設に引き取られそうな所を俺が引き取った。
最初の頃こそ、暗い表情が目立ちふさぎ込みがちだったが、今では皆のお陰で明るく笑えるようになった。
感謝してもしきれないな、本当に……。
「今日はお兄ちゃんの好きなハムエッグだよ♪」
「お、そいつは楽しみだな」
飛鳥の台詞に俺も上機嫌に応える。
こいつの作るハムエッグは美味いからな……楽しみだ。
「ちょっと待ってろ、今窓閉めるから」
そう言って俺は開け放たれたままの窓に手をかけた。
/
ソイルゥゥゥゥ!
\
「あん?何か聞こえるな……」
外から聴こえる謎の声に眉を顰めながら手を止めると、白黒の物体が超スピードで突っ込んできた。
「な!?」
/
突撃ラブハート!!
\
\ヌワァァァ!?/
ピチューン
俺は死んだ。
スイーツ(笑)
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