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「……」
「わ、悪かったってば……」
只今リビングにて朝食を頂いている分けだが……。
俺の右頬にはクッキリと手形がついていた。
いくら鍛えているとは言え、平手は無いだろ……。
ヒリヒリと痛む頬をさすりながら、器用に飯を平らげていく。
何やら重苦しい空気が漂う中、沈黙を破ったのは飛鳥だった。
「そう言えばお兄ちゃん、今日の予定は?」
「そうだな……依頼は無かったから休みだな」
飛び込みの依頼が入らなければ、今日は久々の休みになる。
最近はしょっちゅう依頼が舞い込んでいたから、暇を持て余しちまうな。
「それなら!!」
突然魔理沙がガタッと立ち上がった。
その瞳には何か大いなる決意が込められているように見える。
「私と……その……デート……しない、か?///」
「(´゚Д゚)」
「その顔はなんなのぜ!?」
「いや、唐突すぎて頭がぽぽぽぽーんした」
「えーしー?」
「飛鳥ぁ!?何があった?!」
ちょっと可愛く言っても駄目です!!お兄さん許しませんよ!?
ギャーギャー騒ぎながら、俺は魔理沙の言葉を反芻していた。
デート……ねぇ。
正直ピンと来ないな。
二十年間生きてきて、未だに女性とまともに付き合った事が無かったからな、仕方ないね。
しかしデート、か。
悪くはないが……。
「折角だがパスだ。飛鳥を独りにするわけにはいかないんでね」
仕事ではやむを得ず残してしまうが、できることなら余り独りにはしたくない。
「そ、うか……仕方ない、よね……」
見る見るうちに表情を曇らせる魔理沙。
畜生、そんな顔させたくなかったんだがな……。
「それならしぃんぱぁいないさぁぁぁ!!」
『!?』
突然の叫び声に全員が玄関を向く。
そこには眼鏡をかけた青年が、何時の間に手にしたのか飛鳥特製サラダが盛られた皿を片手にモキュモキュと咀嚼しながら立っていた。つかどうやって喋ってるんだこの人!?
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