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「悪い悪い、つい勢いでやっちまったぜw」
「勢いでかけられるこっちの身にもなってくれ……」
賢斗さんがかけたキン肉バスターのせいで体中が痛い……。
俺が何をしたってんだ畜生!!
「ソイル、大丈夫?」
心配してくれた魔理沙が俺の顔をのぞき込んでいた。
その瞳には涙が溜まっていた。
あぁ、未だかつてこれほど俺のことを想い、心配してくれた女性がいただろうか?
二十年間生きてきたが、少なくとも俺の記憶には無い。
これが幸せってやつなのかも知れないな……。
「おぅおぅ、膝マクラとは見せつけてくれるねぇw」
「お兄ちゃんにお姉ちゃん、幸せそう」
言われて気がついた。
今俺は魔理沙に頭を抱えられ、床に寝転んだ状態だ。
どおりで頭に柔らかい感触があると思った。
体の痛みを差し引いてもこれは役得と言わざるを得ない。
少しだけ、ほんの少しだけ賢斗さんに感謝してもいいかな?
「さて、飯も食ったしどうするよ?答えは聞かないけどw」
そういって賢斗さんは飛鳥を抱え上げ、自分の肩に乗せた。
所謂、肩車ってやつだ。
飛鳥は嬉しそうに賢斗さんの肩ではしゃいでいる。
本当によく笑うようになったな……。
「飛鳥ちゃんは預かった!!返して欲しけりゃ今日一日、魔理沙をしっかりエスコートするんだなwww」
「キャーッ♪」
「あ、おい!?」
そう言って賢斗さんは颯爽と玄関へ向かい、飛鳥を連れ去った。
賢斗さん、それ軽く誘拐や……。
「ったく……しょうがねぇな」
仕方無い折角の厚意だ、有り難く受け取るとしますか!!
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