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序章 つまらない日常~Wonderful Days
学園都市--そこは能力者の住まう街。そんな特別な世界にもつまらない日常は溢れていた。
「ハッ、あそこに何やら可愛いものが、ってミサカはミサカは一方通行に擦りよっておねだりしてみたり」
「お前ェ黄泉川にさっさと帰ってこい、って言われたのをもう忘れてやがンのか?
つうかよォ、お前はそもそも俺の買い物に勝手について来ただけだろォが」
「あれぇ、『お前』って事は一人しか指さない、つまりコッチのミサカは元々連れて行ってくれる予定だったのかなぁ?」
そ、そんな~!? ってミサカはミサカは自らの地位に危険を感じてみたり! と叫ぶ打ち止めを無視して
「ちっ、人の揚げ足とンのがそンなに好きなのかよ」
「ん~? 好きだよぉ。ミサカ、こういう事するのだぁい好き☆」
「お前ェ、良い性格してやがンじゃねェか」
「お褒め頂き恐悦至極」
誇らしげな番外個体を余所に一方通行はふと、打ち止めの指していた方向を見る。すると、そこにはどこかで見たことがあるようなカエルのキャラクターがいた。
(はン、なるほどねェ)
「おい、打ち止め。時間がねェからさっさとあのカエルの所に行きてェンだったら行ってこい。
番外個体は黄泉川ン所にさっさと帰ってこのガキのせいで遅くなるッつうことを言ッてこい」
「ふっふっふー、やはり上位個体の方が優遇されるのだー、ってミサカはミサカは勝ち誇りつつ、待ちきれないから突撃するのだーっ」
すると、走ってカエルの方へ突撃していった打ち止めを後目に、一方通行の目論見通り、番外個体はピクリと反応し
「いやぁ、いつ何があるか分からないしここはミサカの力も貸してやるから一緒にいってやるよ」
とのたまった。
「はン、確かに俺は昔に比べりゃ鈍ったかもしれねェが、何もお前ェの力を借りなきゃなンねェ程鈍った覚えはねェぞ」
チラチラとカエルの方を見つつ、そわそわし始めた番外個体に追い討ちをかける一方通行。
「みっ、ミサカにあのカエルの所に言った打ち止めが羨ましいっていう嫉妬の濁流が! 早く行かないとミサカ壊れちゃうぅぅ」
苦しい言い訳をし始めた番外個体に
「面倒くせェ、さっさと行ってこい。」
と今までの流れをぶった切りにして言う一方通行。
「かっ、勘違いしないでよね。別にミサカは行きたいわけじゃないんだからッ」
と最後まで素直にならずに走る番外個体を見て、一方通行は如何に時間を潰そうか、という思考に入ったのだった。
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