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昼前から始めた荷物整理は午後8時を回る頃終わった。外はもうかなり暗い。
来た時はただの四角いスペースだったマンションの一室は今は部屋の様相を呈し始めている。
「北海道とはやっぱり全然違うんだな…。」
窓の外を見つめながら父は何だか寂しそうな声を出した…。
「あなたっ。そんな不安そうな声を出したらなっちゃんまで不安になっちゃうじゃありませんか!」
「あははっ。そうだな…。ゴメン、ゴメン。なつ、大都会東京だっ。きっと楽しいぞっ。」
「あなたっ。何も遊ぶ為じゃ無いんですからねっ!」
そんな両親のいつものやり取りを笑顔で眺めながら夏希も故郷の北海道を思い出していた…
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