憧れ

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約束の6時半に近くなったのでナガはカナンの家に向かった カナンの家は 石作りの街のほぼ中心にある カナンの両親はパン屋をやっていてカナンの家は いつも焼きたてのパンの匂いでいっぱい 時々パン屋でバイトをしているナガはオリジナルパンを作ることを許可されていた イチオシは 中身がこれでもかというぐらい詰まっている採算度外視の 『パンパンのパン』 実はこれがかなり売れていて 多少なりともパン屋の売り上げに貢献しているのでナガはよく食事に招待されていた カラン♪カラン♪ 「こんばんわ~」 「あら♪ナガちゃんいらっしゃい」 店番をしていたおばさんが笑顔で出迎えた 「毎度のことながらすみません、ご馳走になりに来ました」 「いいのよ~そんなこと気にしない気にしない♪さぁ入って入って♪カナンとお父さんがパンを作って待ってるわよ♪」 「ありがとうございます!お邪魔します」 店の中の階段を上がってすぐのキッチンではおじさんとカナンが食事の準備をしていた 「おぉ来たかナガ!まぁ座ってくれ」 「いらっしゃい♪」 「ありがとうございます!」 そう言うとナガはいつもの自分の指定席についた 「夕食はおじさんが?」 「ん?そだよ。ナガの残念パンパーティーだ!ナガの考えた新作のパンドラパンの試食も兼ねてるぞ!」 「ちょっ!お父さん!そんな嬉しそうに言ったらナガがかわいそうでしょ!もぅ!」 「ははは…」 ナガは苦笑いした
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