序章

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序章

「対抗!!5進むカードだ!これでこのマスには止まらず5マス先までいける!」 翔(カケル)はツルツルしたカメの頭で意気揚々と言い放った! 「ほぅ、そうかそうか…じゃが儂も対抗じゃ!ストップムーブ!今の5進むカードは無効じゃのぅ」 神が髭をなでながらにっこり笑う。 『イヤだ!!絶対にこのマスだけは止まりたくない、いや、止まってはいけない!!』 翔は焦って手持ちのカードを落としそうになる。 『…いや、冷静になるんだ、落ち着け~…あいつはすでに二枚カードを使っている。このカードを使えば絶対大丈夫だ…』 一度深く深呼吸した翔はカードをしっかり持ち直し、 「対抗!所得税カード!さあ、三枚カードを捨てろ!」 「なんじゃい、足掻きおって」 しぶしぶカードをゴミ捨て場に三枚放り込む神。 カードを捨てたことを確認した翔がすかさず叫ぶ! 「更に対抗!テレポート!お前のマスに移動する!」 同じイベントマスに入ると神との戦闘になるが仕方ない。今の翔の状態ならそれなりに神と渡り合えるはずだ。かなりリスキーな選択だったが、それだけ翔はあのマスだけは避けたかった。 「…対抗…」 ニヤリと笑みをこぼした神の一言に翔は凍り付いた。 神がもっている最期の一枚が、まさか対抗カードだったとは… 「さぁ…観念するんじゃな」 『いや…いやだ!!なぜこうなった…助けてくれ…!!』 翔はその場に崩れ落ち、膝をついた。 ことのはじまりはどのくらい前のことだっただろうか……
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