日常

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図書館に入るとそこは静まりかえっており、俺が開けた引き戸の音が響く。 その音を聞いてなのか、何人かがこちらに目を向けた。 「遅かったじゃん。またボケーっとしてたんじゃね?大丈夫先生は今はまだ来てないから」 目を向けている者の中から、そう言いながら二人の男が笑いながら近づいてきた。 ここで彼等についても紹介しておこう。 今話しかけてきたこの男は、倉川悠真[クラカワユウマ] どちらかというと、真面目で盛り上げ役、本人は気がついてはいないが少々霊感がある。 小さい頃から、彼は聞こえないはずの声を聞くことがたまにあったが、本人は疲れのせいだと思い込んでいるようだ。
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