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豪勢な食事が運ばれてきた頃には、和馬は暗鬱どころかどっぷりと憂鬱の暗闇に浸かっていた。
もう逃げられそうにない…
が、この男のお目当ては…言うまでもなく自分の『体』だろう。
こんな待遇に見合うだけの、代償を求められているとしか思えない。
ここで今更、「何も出来ません。すいませんでした」と言えたらどんなにいいか、いや、言ったらどんな目に遭ってしまうのだろう。
こんなんだったら、ネットカフェで我慢するんだった…と、和馬が大きな溜息をついていると、目の前に座った男が…確か悠一と名乗っていた、彼が口を開いた。
「ねぇ、君。そんなに強ばらなくていいよ。和馬はストレートだろう?」
その言葉に和馬は目を見開いて顔を上げた。
悠一はそれを見て笑っている。
「俺はどっちもいけるんだけれどね。…まぁ、それはともかく。今夜はただ誰かとゆっくり過ごしたかっただけなんだ。クリスマスイブだしね」
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