夏の始まり

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帰り道の途中にあるケーキ屋を覗いてみる。 やっぱりプロだな。トッピングがきれいだし、まず食べたいと思わせる技能が職人の技だよね。 そう思いながらケーキ屋をあとにすると、目の前のおばあさんがハンカチを落としてしまっていた。 私は声をかけようかどうか迷っていた。心の中で私じゃなくてもと思っていたからだ。 すると 「あの、ハンカチ落としましたよ!」 と言いながら私の横をすり抜けハンカチを拾っておばあさんに届ける若者がいた。 あぁ、こういうことが躊躇なく出来る人って凄いなと私は感心していた。 これが"彼"との最初の出会いだった。
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