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ゴミ人間ねぇ…とガリルは口角を上げた。
確かにゴミ人間かもしれない、と思った。
自分を拾ってくれた『悪性の守り(ダークガード)』の部隊長の命令を無視し、挙げ句、“何でもない一般人”に負けてしまったのだ。
しかも二年間、帰ってこいとの言い付けも破り、あの少女を追い続けた。
となれば、もうすぐ追っ手も来る。
後は殺されるのを待つだけの人形。
「…で?そのゴミ人間に何か用か?」
ガリルの問いに、金髪の女は簡潔に告げる。
「アンタ、私達の仲間にならない?」
「あ?」
思いもよらない質問に、ガリルは一瞬戸惑った。
「私らの仲間は全員世間に出ただけで瞬殺されるような連中ばっかりで構成されてるのよ」
「…そんな組織に、何故俺を誘う」
「さっきのアンタ達のいざこざを、ちっとばかし拝見させてもらったのよ」
悪趣味な、とガリルは吐き捨てた。
「…私らの組織は裏で密輸や犯罪を犯してる奴等を殺す、至って単純な仕事よ。勿論、黄泉能力者のね」
金髪の女はガリルを指差すと、
「…どう?アンタにピッタリだと思わない?」
悪気も無く言うと、金髪の女は握手を求めてきた。
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