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「二つ、聞かせてくれ」
今度は、ガリルが質問した。
「どうぞ」
面倒くさそうに、金髪の女は答える。
「それは、誰の手で動いている?」
「そうね…言うならば、この国にかな?」
「国…?」
「そ。余程切羽詰まってるって事よ。この国はね」
黄泉能力者が一般化したこの世界。
絶えず行われる犯罪行為。
終わらない戦争。
その中でこの国が切羽詰まるのも頷ける。
「成る程な。では、」
最後の質問を、ガリルはぶつけた。
「俺が“この世の人間ではなかったとしても”いいのか?」
「…勿論。例え地獄から這い上がってきた奴でも、ウチは大歓迎よ」
微笑すると、また手を伸ばしてくる。
するとガリルは、その手を払いのけ、
「心外だな。私を化物扱いするな」
「ふうん。で、答えは?」
「…今は何処でもいい。食らいつける所なら意地でも食らい続ける」
「うん。中々いい返事ね」
着いてきて、と金髪の女は言った。
二人の進む道は、普通の道ではない。
暗い夜は、どこまで行っても暗い。
あのガリルとの戦いから三日後。
新騎は自分のアパートに居た。
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