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今日は休日。
そして時刻は朝の6時。
何故こんなに早く起きてしまったのか。
もう一度寝ようにも、目が冴えて眠れない。
折角の休みなのに、睡眠時間は四時間。
なのに体は寝たくないと言う。
なんという我が儘。
「くっそぉおおおおおおお!」
叫び、新騎は頭を掻きむしった。
眠たいけど眠れないという矛盾だらけの状態に、新騎は凄く腹がたった。
「ううん…」
すると、横から呻くような声が聞こえた。
見ると、髪の長い少女が、気持ち良さそうに寝ていた。
結局、新騎はチーを家にかくまう事にしたのだ。
言うまでもないが、チーは反対していた。
自分が要ることで、また新騎に危険が及んでしまうと。
でも新騎は思う。
それも含めて“助けて”やるんだ、と。
だから新騎は絶対に折れなかった。
そして、先に折れたのが…後は言わなくてもいいだろう。
「…ふっ」
寝ているチーの顔を見て、思わず吹き出すように笑う。
チーの頭を撫でると、また布団に潜り込んだ。
この時、新騎は“久しぶりに”誰かをちゃんと助けれた気がした。
「…やっぱ寝れねぇええええええ!」
だがそんな事関係なく、新騎は寝れなかった。
この後、結局寝れなかったのであった。
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