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日本には、黄泉能力者が溢れている。
人に馴染みやすい能力もあるが、勿論それを悪用する、危険な能力もある。
ならば、日本は無法地帯。
治安なんてあったもんじゃないのか。
そう言われれば、それは嘘になる。
ここには『特別犯罪撲滅組織』と言う、黄泉能力者が起こす犯罪行為を取り締まる、警察とはまた別の組織があるのだ。
特別犯罪撲滅組織には、“普通の者”も居るが、勿論黄泉能力者も居る。
目には目を、黄泉能力者には黄泉能力者を、と言った所だ。
その特別犯罪撲滅組織の第三区の副隊長、白山翔太(シラヤマ ショウタ)は街を歩いていた。
「うー…まだまだ寒いですぜ」
茶色の髪の毛を揺らしながら、愚痴を吐く。
もう春だと言うのに、冷たい風が白山を襲う。
そんな白山のすぐ横を、小学生が元気良く走り抜けて行った。
「…元気ですなぁ。そういえば、普通のいい子達は今から学校なんですね」
この言葉から分かる通り、白山は本来ならば行っている高校には、行っていない。
理由は、特別犯罪撲滅組織に入っているからだ。
そんな学生達を見ていると、
「………あ!」
その中に、真っ黒の髪の毛の、癖毛の少年を見つけた。
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