なゆの話

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ケイちゃんが誰よりも私を想ってること。 サクがいつも皮肉を言うけど,それは場を和ませながら意見を言ってること。 ユウが冷静なフリしてとても友達思いなこと。 カナは優しすぎていつも強く言えなくて,強く言われすぎてシュンとしてる人の側にいてくれること。 私が一番よく分かってる。 皆が意地悪なこと言うのも,全部私のためだってこと。 「でも,育人のことは皆に笑って応援してほしかった,,,。」 私はバカな自分が悔しくて,ケイちゃんに言ったことが悔しくて泣いた。 カナは私の背中を撫でて言った。 「バカね。応援は出来ないわよ。 私たち,あんたの傷つくとこ見たくないもの。 あんたにはお腹の子も幸せになってほしい。 だから,あんたを気づかせる為ならどんなキツイことも言っちゃうのよ。 でも私たちももっとあんたの気持ち考えるんだった。ゴメンね。」 謝るのは私なのに。 「なゆに,覚悟があるなら,私は見守る。」 そう言ってカナはまた服を選んだ。 幸せに決まってる。私も。この子も。 だってこんなに愛されてる。
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