なゆの話

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そう思っていた時,私はベッドの下に小さく光るものを見つけた。 「あ。」 それは高そうな細いチェーンのブレスレットだった。 私はどきどきした。 きっと女がうっかり忘れていったんだ。 育人は気付かなかったのだろう。 私はそれを見て見ぬフリすることにした。 シンプルなデザインからして,相手の女が年上だってことが分かる。 育人がシャワーを浴びてバスルームから出てきた。 「シャワーあいたよ。」 育人が顔をクシャっとさせて笑った。 彼に問いただす勇気なんて無い。
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