サクの話

13/26
前へ
/79ページ
次へ
館内に入って私は息を飲んだ。 長身で,筋肉質な黒人が画を眺めている。 彼の周りの空気のせいで,まるでこの美術館はニューヨークにあるMOMAになったようだ。 彼だ!クリス・ブロウだ。 どうしよう!早く来て準備しようとしたのに,,,! 私はそんなことを考えながら彼の美しい後ろ姿にみとれた。 そうすると彼が振り返った。 彼は私に気付くと,白い歯を見せて笑った。 そして私に近づくと手を差し延べた。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加