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そんな僕の言葉に、ジャジャは一息置いて、
「そうか」
とだけ答えた。
素っ気ない返事だったけれど、その顔に浮かぶ表情は妙に優しくて、それが僕を複雑な気持ちにさせる。これでは、彼女に子供扱いされるのも仕方ない気がした。
――まあ、それはさておき。
「ところで、今更なんだけど何でこんな所に来たかったの?」
本来ならば『学園』を出る前に訊くようなことを言葉通り今更訊いてみる。その行為の裏には何もなかったけれど、強いて言うならやっぱり言葉通りなのだろう。本当に、今更なのだ。例えジャジャが、何の目的で、何をして何を為そうが、僕はただ彼女に"付き従う"だけ。何故なら僕は、彼女の――『魔女の騎士』なのだから。
と、括弧付けてみたところで――いやもちろんそれは事実なのだけれど――端的に言ってしまえば、僕はジャジャが好きなだけという事だった。ライクでもありラブでもある。好きな娘に付いてこいと言われれば、四の五の言わずに二つ返事で従うのは、年頃の男子としては正常な行動だろう。たぶん。
"正常な"、なんて考えている時点で違うのかもしれないけど。
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