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旅館 離れの部屋。
「久しぶりに来ましたが 相変わらず綺麗なお庭ですね。」
荷物を片付け終えた忍が窓越しに庭を見て言った。
彼女を後ろからそっと抱き締めながら その白い首筋に顔を埋めた。
『親父は昔から庭いじりが大好きだったからな…。俺の記憶では一度も庭師を呼んだことは無かったと思うけど。』
忍の身体に巻きつけた腕に力を加え もっと身体を密着させる。
背中越しに彼女の胸の音を感じる。
「凄いですね…お父さんって……って 伊織さんっ!どさくさに紛れてドコ触ってんですかっ!」
ピシャリ。
儚くも俺の手を叩く 愛情表現の下手な可愛い嫁さん。
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