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新入りが大学でできた友人宅へ上がると、テーブルの上に女性がよく手にしている四角いコンパクトのようなものを発見した 新入りは少しからかってやろうと思いつき 「男の部屋に化粧品?」 と何気ない風を装い聞くと 「ゲーム」 とさりげない返事が戻ってきた 新入りは若者にしては珍しくゲームを手にしたことがなく、それを見た途端化粧品と間違え指摘し、逆に訂正されるという恥ずかしい思い出がある この小さな出来事がきっかけで、アルバイトを始め、稼いだお金でゲームを買うようになった おかげでゲームのことに関してはあれ以来恥をかいた覚えはない ただ新入りは興味を持つととことんのめりつくす性質で、次第に大学を休み始め、オリエンテーションで辛うじてできた友人とも少しずつ疎遠になっていった
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