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少しずつ確実に新入りは仕事を覚えるようになってきていた それは四六時中下らない話を発していたあの口が仕事中には静かに閉じられていることからも変化が見て取れる しかし本当に気づくべきところは他にあったのだと今更ながら思う 私が仕事を終えた後のプライベートな時間に、何故か新入りは私を食事に誘い出すことがあった 仕事の上では特別関わり合いもないし、私自身新入りの仕事についてもよくは知らなかったから、もしかしたら仕事以外の相談事でもあるのかと思っていたが、ただ単に社内にAの話ができそうな人物が私しかいなかったというだけのことで、新入りとしてはプライベートでもAの友人としてつきあっていきたいという話なのであった 私自身はといえば昔から人間関係の構築は苦手であり極力避けてきたものではあるのだが、なんとなく新入りに言われるまま 分かった というような返答をしたことを覚えている
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