SuGaR & sPiCe

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――自分に勝ち目はない。例え、終が羅維納に特別な感情を抱いてなかったとしても。 終はじっと三繼期の目を貫くように見つめ、冷たい声で言った。 「……どうやらここでは言えないモノを溜めているようだな。仕方がないから、俺が聞いてやる。中庭に行かないか?」 「……まぁ、いいけどよ」 全てを見透かす終のこの能力を、これ程憎んだのは初めてかもしれない。そんなことを考えながら、三繼期は終の後に次いで図書館を出るのだった。 ××××××× 中庭に続く扉を閉め、三繼期が噴水前のベンチに腰掛けたのを確認すると、終は腕組みをして威圧的に問いかけた。この淀んだ空気は、とても暖かい陽気に包まれた中庭にはそぐわない。 「……羅維納のことで俺に異様なまでの嫉妬をしているようだな。今のお前を見ていると、ひたすらに嫉妬心しか見えてこない。言っておくが死神界は恋愛禁止だ。それを分かっているのか?」 「…………ッ」 何も言い返せない。全て、終の言う通りだったから。三繼期はぐっ、と拳を握り締める。
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