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白くて、小さな花…
普段花なんて興味もなく、名前を覚えている数すら数えれるほどしか俺が、唯一覚えた珍しい花の名…
『タキー、俺今から帰るけど帰る?』
俺はその声をきき、教室の窓から放課後の部活動に勤しむ人たちをみていた目をその声のした方に変え口を開いた。
『ユキは今日部活いいのか?』
『ん?、あぁ、もういいんだ、辞めたから!』
俺の親友(名はユキ)はそういい微笑むと俺の首に腕を回した。
俺は無駄に体を動かすのを面倒だと思う方だったから、部活を辞めた理由など気にもならず、欠伸をしながら立ち上がった。 『じゃぁ、一緒に帰るか!』
その後はいつものように、帰りにゲーセンよって遊んで、それから夜道をのんびりとユキは坂道をチャリを押しながら、俺は徒歩で帰る。
『ユキ、来週の土日に勉強合宿あるじゃん!行く?』
俺がめんどくさそうに言うとユキは苦笑いしながら答えた。
『もう俺らも来年受験だろ、さすがに行かんとやばいだろ…』
『まぁ、たしかになぁ…』
俺たちはそれからいつもと変わらぬ日常を過ごした。
そして合宿の日の昼休み…
俺たちは普段しない勉強のせいで疲れたので、少し合宿所の周りを散歩していた。
するとふと白い小さな花が目に止まった。
『ユキ、』
『タキ、この花…』
俺が話かけようとした瞬間ユキも口を開いた。
『タキ、これみろょ!超珍しいぜ、これ!』
ユキは凄い目を輝かせながら言った。
『そんなに凄いのか?』
俺にはただ目についただけの存在だった花を指さして言った。
『この花は、普段高い山とかにしか生えない花なんだょ!それがこんな場所に、不思議すぎる…』
ユキはまじまじとその花を見つめている。
『なら…、俺らで研究するか?』
俺は冗談半分で笑いながら言った。すると、ユキは子供のように満面の笑みで頷いた。
俺はその顔をみた瞬間、何故か胸のあたりで鼓動を打ったのを感じ、とっさにユキから顔をそらしてしまった。
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