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おっさんらしい低い声が呼んだ。
「はい」とあからさまに嫌そうな顔を浮かべながら立ち上がる。
答えられるはずがないと、分かっていて、先公が池元に近づく。
そして、先公は頭を定規で軽くこづいた。「わからないのか?」
「わかりません」
池元は凡人だ。こいつが本気を出しても何も出来やしない。
笑った?なぜか池元が白い歯を見せた。
「でも、先生の鼻毛が出ていることは証明出来ます!」
どっかーん! 教室は奴隷から解放された生徒の笑い声が響いた。
確かに出ている、以前からずっと鼻毛が束で出ていた。
「参ったよ」と、両手をあげた、みんなが気付くくらいに。
でも、みんなは池元と先公に注目して誰も気付かない。
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