消音ヘッドホン

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それは、小学校の5年生のとき。 クラスで、学年でいちばん可愛いと評判の女の子に告白された。 「サキくん、好きだよ」 当時、恋愛なんてよくわかんなかったし、告白されるのも初めての経験だった。 「よくわかんないや。ごめんね」 考えて考えて、それでもわからなかった。 泣きながら去る彼女を見て、ああ、これがフるってことかな、なんて思っていた。 そのままランドセルを背負い、僕も帰る。 その光景を見られていたなんて知らずに。
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