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次の日、僕は家の用事で午後から登校した。
教室に入ると、どこからか感じる冷たい視線。
違和感を感じたものの、特に深く考えず席につく。
違和感が確信に変わったのは放課後。
「おい、ちょっとこっち来い」
クラスのリーダーみたいな男子に呼び出された。
「おまえ、昨日あの子のことフっただろ。俺、見てたんだからな」
驚いた。
見られていたのか。
「そうだね。それがどうしたの?」
僕のその言葉は、リーダーを怒らせた。
「調子に乗ってんなよ!おまえは俺らとは違うくせに!」
母親はイギリス人。
その血を濃く受け継いだ僕は金髪・碧眼で、確かにみんなと見た目は違っていた。
「調子になんか乗ってないよ」
「うるさい!外人は黙ってろ!」
外人じゃない、なんて言えなかった。
今まで見た目なんか気にせず接してくれていたと思っていたから。
それが本音なんだってわかってしまったから。
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