その少女、

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「先生、なんだか調子が悪いので保健室に行ってきます。」 そう告げ、彼女は教室から出て行った。 他のクラスメートは、特に気にしていない様子だ。 彼女が授業中に退出するなんて、よくあること。 そんな中、僕は出て行く彼女をちらりと見る。 あぁ、やっぱり今日もだ。 今日も彼女の背中には翼が生えている。 本当に、うっすらと。 一瞬だけ透明ながら形を表し、消える。 いつだっただろう。 彼女の翼を見つけたのは。
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