その少女、

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翼を見たからといって、僕はアクションを起こさないでいた。 僕が気にするものじゃない。 大体、その翼の存在こそ怪しいものだ。 それは本当に一瞬しか見えないのだから。 チャイムが鳴り、授業が終わった。 今年受験生の僕らにとって、授業のひとつひとつがピリピリしたもので息が詰まる。 そっと深呼吸し、いつものようにヘッドホンをつける。 視界の端に何かがちらついた。 僕は何気なく窓の方を向き、そして息をのんだ。 目の前に広がったのは、 純白の羽の舞。
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