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咆哮を上げる銃身。
飛び交う数々の銃弾。
時には、拳大の手榴弾が飛んで来て、爆発する…。
そんな中、俺、黒田一成(くろだ かずなり)は現実からかけ離れた様子の周囲を見回しながら、呆然と立っていた。
「うぅむ…これは夢だろうか…」
「馬鹿!死ぬぞカズ!」
俺が目の前の非現実的な様子に思わず呟いていると、すぐ隣から我が親友、城山広信(しろやま ひろのぶ)の焦った様な声が聞こえると共に、俺の身体が引っ張られる。
あまりに強く引っ張られた為、俺が尻もちを着いてしまった次の瞬間、つい先ほどまで俺の頭があった辺りを、数発の銃弾が掠めていった。
うん…、今のは流石に危なかったな…。
「間一髪だったな、カズ」
「あぁ、助かったよ…。ありがとな、ヒロ」
隣で眩しい笑顔を浮かべるヒロに対し、俺はギリギリで助かったことにホッと胸を撫で下ろしながら返す。
少しの間そうしていたが、今も戦闘は続いているのだということを、時たま頭の上を通り過ぎる銃弾で思い出し、隣でAK-47とかいうアサルトライフルの残弾を確認しているヒロに声を掛けた。
「なぁ…今戦況ってどうなってるんだ?」
「んー、ちょっと待てよ…今HQ(ヘッドクォーター)に問い合わせる」
そう言って、ヒロは右耳に付けたインカムの回線を開いて通話を始め、しばらく経った後、通話を終了した。
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