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「オレも詳しい型式は知らないが、たぶんAUGだとは思うぞ?ACOGとグレラン装備のな」
「流石ガンマニア…」
俺がそう言うと、ヒロは頬を赤くしながら「よせやい、照れるじゃねぇか」と呟く。
…男が頬を赤らめるのほど気持ち悪いものはないな。
そんな割とどうでもいい事を考えていると、周囲が俄かに活気付いている事に気が付く。
「なんだ…?」
俺がそう呟くと、いち早くHQに連絡を取っていたらしいヒロから、衝撃の情報がもたらされた。
「自軍20…敵軍12…逆転…してる」
「はぁ!?」
俺が思わず驚きの声を上げている間も、ヒロはHQとの連絡を続けた後、少し興奮した様に口を開く。
…どうでもいいが、そんなに顔を近付けるな…なんか嫌だ。
「カズっ!前線行くぞっ!!」
「はぁ!?ついさっき命からがら戻って来たっていうのにかっ!?」
「いいから!」
頭でも打ったのか…と、少し心配になりそうな勢いのヒロだったが、断れば一人で行きそうな感じだったので、仕方なく了承してつい先ほどまで居た最前線に走って戻ったのだった…。
「はぁ…はぁ…間に合ったみたいだな」
「何が間に合ったんだ…よ」
ヒロの言葉に反応しつつ、視線をヒロと同じ方向へ向ける。
…思わず言葉を失った。
踊っていたのだ。
戦場で…
この真っ赤な血が絨毯の様に広がる、戦場で…
…一人の少女が。
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