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昨日は鳥を捕まえようと高い枝から降りれずに悲鳴を上げていたっけ…。
今度はちょうちょでも追いかけていて、頭を突っ込んだのか。
世話役の男、ゼロスは胃が痛くなった。
呆れている最中、姫様は懸命にもがいている。しかし、このまま放っておいても抜ける気はしない。
まわりを見渡して誰もいないことに胸を撫で下ろした。
姫様に「失礼します!」と断りを入れて腰をつかむ。
変な声が返ってきたが、乙女の羞恥心に付き合う余裕はない。
本来ならこのような行為は罰則ものだが、救出ならやむを得ない!とゼロスは決起した。
無礼だとかそんなもの構ってられないとお目つけ役は必死だった。
「あ、ちょ…痛い!優しくしなさいゼロス!枝に引っ掛かってるわよ!もっとゆっくり!」
そんな葛藤など知らず、姫君はずるずると庭にもどってきた。
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