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みぐしを整えた姫様は応接室に移動。
机をはさんでお目付け役に睨まれていた。
「なぜあのようなことをしたのです?」
ゼロスは努めて優しく語気を弱めて言ったが、頬はひきつり笑顔は震えていた。
怒っているゼロスを横目に縮こまる姫君。気まずくて膝の上で拳を作りじっと床を睨んでいた。
「なぜって…そりゃわたしの噂が一人歩きしているからよ…」
くちびるを尖らせて不満そうにつぶやく様子は、まるで仲間はずれをくらった子供だ。
ゼロスは大きくため息を吐く。子供のような拗ねかたをされて怒る気力をなくした。
しかし注意を加える。
「気になるからと言ってあのような、はしたない間抜けな格好になってはいけません。」
「…はぁい」
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