騎士隊編

4/22
前へ
/34ページ
次へ
「あの試験すげー手こずった。ケガの処置とか」 「俺はモンスターの戦闘が辛かった」 口に任せて試験内容を吐露していく青年ふたり。 これからはじまるであろう試験に一抹の不安と同情を抱きながら、準備する未来の新米たちを見守った。 「どいていただけるか?」 突然かけられた声に、ぎくりと背を伸ばすフィリップとサミュエル。 別段変わった話をしていたわけではないが、暇をもてあましている姿は注意される対象だ。 声のした後方を向くと上司でなく渦中の人物、ニネットがいた。 「あ、あっごめんごめん!」 「受付か?」 慌てて立ちあがり騎士兵はふたりで対応した。 ふたりの勢いにおもわず身を引きそうになったが、受付。と聞き「あぁ」と繋ぐ。 「番号札をもらえるか?私としたことが忘れてしまったんだ…」 慌てて受付のテーブルに向かうフィリップ。 ぽつんとあった番号札を見つけた。 めくるとNinetteと名前が書かれていた。 「これだね。どうぞニネットちゃん」
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加