はじまり

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少女も老婆の気迫にあきらめて今後の課題にと、反省を見送った。 「明日、試験に望みます」 風が吹くなかハッキリと聞こえる調子で言葉を告げた。 「騎士として国に尽力します」 はじめて己が覚悟を口にした。 彼女の言う騎士とは、国家を守る護衛の仕事だ。 ほかにも雑務は存在するが主に戦闘に長けた者が勤める職だ。 「そうですか。頑張んなさい」 老婆の返答は簡素なものだった。 「…止めないのですね」 すこしだけ育て親の愛情を疑ってしまう。
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