はじまり

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老婆は微笑みこう返した。 「貴女が騎士になることは分かっていましたから」 少女の顔を見つめ、深くうなずいた老婆は、少女の夢を理解しているようだった。 今日初めて剣を握る姿を見られたはずなのに、親とはこうゆうものなのか。 呆気に取られる少女。 「貴女がなにになろうと、私は母であり家を守る」 だから安心して、国を守んなさい。 小柄な身体をいっぱいに反らせて胸を張り、老婆は自身の胸を叩いた。 どんなに成長しようともこの老婆…母には、一生勝てないと思う。 「いってきますね、母さま」 くすりと笑みをこぼした少女だった。
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