はじまり

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場所はその城に移る。 この国にいる王族は3人。 王国の主である王と妃である女王。そして、ひとり娘の姫である。 だがこの姫、まだ幼いとされていて、まだ王族の役目を担ってはいなかった。 しかしお転婆であるがゆえ… 「ひめさまぁ!?」 今日も世話役の男に叱られていた。 あろうことか城壁の垣根に頭をつっこんでいた。 抜けようと尻をふる一国の姫君を、もう放っておこうと思うほど、呆れていた。 「抜けないわー!」 男によびかける垣根の住人。 果たして彼女は本当に姫君か。 信じられないほど間抜けな王族が、自分の庭の垣根に刺さっていた。
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