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路上に倒れていた識上の親友兼裏切り者は、ゴシゴシと鼻血を手の甲で拭きながら、ゾンビのように起き上がった。
「フッ……殴る前に言う台詞だゼ。それは…」
懲りてないようだなッ、と識上が右手を握りしめると同時に、二人の間に奇妙なメロディーが流れた。
ん?とお互いの顔を見合った後に携帯を取り出したのは、霜溝だった。
「もっしー?…了解だゼ!」
時間にして二秒。
たったそれだけの会話で通話を終了した霜溝は、携帯をしまうと、パンッと顔の前で手を合わせ、深々と頭を下げた。
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