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「悪ィ。大事な用が入った」
「わかったから」
シッシッと野良猫を追い払うように、手を動かすと、
「どうせいつものバイトだろ?」
クルリと身体を反転させていた霜溝は、肩越しに識上を振り返り、口の端を悪魔の笑みのように吊り上げる。
「そっ!バイト。バイトォ」
ブンブンと手を振りながら、一番手前の角を曲がっていった霜溝を見届けた後、疲れ果てたように息を吐いた。
「しょうがない。俺も帰りますか…」
口の中で小さく呟いて、クルリと身体を回す。
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