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「っのお…覚えてやがれッ!!」
どこかで聞いた事のあるような、敗者の台詞だなと思った。
その台詞をガムのように吐き捨てた金髪リーゼントを先頭に、柄の悪い不良達が逃げ出すところだった。
一人、二人、と路地裏に消えていく不良達の数を数えてみると、二十人程いた。
そんな彼ら消えた後に、こっそりと安堵の息を漏らした者がいる。
識上龍。
灰色のズボンに白いワイシャツの腕をまくっているスタイルの高校生の少年である。
正直。皆様の脳内のネジが何本か緩んでいて助かりました、と思いながら、空に浮かぶ真ん丸のお月様を見上げた。
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