Opening

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不良達が全て、視界から消えると識上は、調子を確かめるように、右手を開いたり閉じたりする。 (殴られたら痛いもんな…) 不良の顔を殴ったら、逆に、複雑骨折しそうな右手を見つめて、そう思った。 彼の喧嘩は防戦一方で、決して自分からは手を出さない。 理由は二つ。 へたに自分のこぶしを不良に突き立てて、怒り狂った不良の殴る蹴るの雨を浴びれば、一たまりもない。むしろ、そっちの方が命に危機が迫る。 もう一つ。彼の力。 滅魔の力で、魔の力相手でないとその力は使えない。
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