Opening

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相手の気がすむまでつき合ってやる、というのが彼の喧嘩のキャッチコピーだ。 「お疲れ!さすがはヒーローだな!」 ポンッと識上の肩に手を乗せて話しかけてきた少年。 金髪のいがぐり頭で、耳にたくさんのピアス。 不良のイメージにぴったし当てはまる彼は、霜溝優倫。 一応は、学力テストトップの頭脳の持ち主だ。 ニコニコと微笑む霜溝に、識上はこめかみ辺りに血管を浮かばせた上っ面だけの笑顔で対応する。 そして。 ボカッという鈍い音と共に、霜溝の身体が見事な放物線を描きながら、すっ飛んだ。
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